軒を借りて母屋を完全制圧

去る平成21年8月16日・日曜。
コミケ76三日目である。


我々「まさに外宮!」は前述の通り、落選していたことに気付かず新刊を造ってしまうと云う大失態を演じたのだが、松邦神社の雨降ラ師氏の指令でケツにパピコ挿したまま埼玉県の取材した見返りご好意で外宮の本を置かせてもらった。
松邦神社のサークルチケットで入場。西1ホールのスペースに到着すると、そこには印刷所から届いたダンボール箱が。
さっそく開封


やりすぎた。



「……いや、いくら何でも似せすぎだろ!!」と怒り笑いながら鞄の中から比較用の●波文庫を取り出す雨降ラ師氏。あんたもノリノリやんけ。


一頻り笑い終えて設営開始。ポップを作製する。
雨降ラ師氏が仏滅氏(外宮のマスコット描いてくれた人)に外宮神主のコピーを渡し、「何かてけとーに書いて」と指示。


大丈夫じゃない。

否定するの遅い。


どっちにすれ、●波書店の社員に見られたら何言われるか解らんな。


とか何とかやって、設営が終わるなりオレも雨降ラ師氏も東館へ直行。ホント、サークル主催者が仕事しねえサークルだな。


……午後2時。一通り見て回って西1ホールの松邦神社に戻ると、先に戻っていた雨降ラ師氏が頭を抱えていた。
何事かと尋ねると、


「おめー、前半の3時間で50部売るこたぁねえだろ……」


店番のTくん(松邦神社補助要員)に推移を聞くと、午前中だけで約30部。11時以降は3時間連続で毎時20部前後売れたとのこと。
終わってみれば、当日合計82部と云う、外宮でも松邦でも初売り部数の新記録更新。


今回の配置、よく考えると過去最高に場所が良い。くの字に折れた西1ホールのど真ん中のお誕生日席で、一番人の往来する位置だった。
挙句、ポップがアレで人目を惹く上に、積まれた本はどっかでよく見るアレ。
通行人数と視覚効果の合わせ技で人がひっきりなしに足を留めたらしい。


お客さんの現場での反応も上々。
「現代語訳があって親切」と買ってくれた人。オレの努力が報われました。
「いw●wなwみwww」と会計中に笑いを堪えきれなかった人。その失笑が見たくて造りました。
「大学で国文やってたんですけど、こういうのを待っていたんですよ!」と熱い感謝の言葉をくれた人。オレもそう思ったから造りました!
「否! ●波文庫は、上の裁断面が不揃いじゃなきゃ●波とは言えません!」と熱弁する人。その発想は無かった。
皆さん、人生間違えてくれてありがとうございます。


そんなカンジで外宮の夏コミは夢のような一時だった。
雨降ラ師氏は、新刊のコピー本が15部しか売れなかったと嘆き、「軒を貸したら母屋どころか納屋も田畠も全部奪われた」とビールを煽っていたけど。多分、それでも良いはずです。エエ。(全く良くない)



しかし諸君! 既に次なる戦いは始まっているのだ!
冬コミのオンライン申込〆切も来週! 次回に備えて新たなバカ古典を探さねば!!


南畠親房「……いや、飽くまでも『バカ古典』シリーズは繋ぎの企画でしょうに」

そういやそうでしたね。


コミケの翌々日、吉祥寺のガストで頭を抱えるワシら。
委託した『シビル』がびっくりするぐらい売れず、サークル結成時とは意図せぬ方向に伸びつつある前途に危機感を覚える。
ともかく、皆さんお疲れ様でした。